第30回当事者研究会


春のうららかな陽気の中、第30回当事者研究会が開催されました。

午前の部:向谷地さんによる統合失調症学会報告 およびピアリンクメンバーによる研究報告

 午前の部前半は向谷地宣明さんより、3月に行われた統合失調症学会についての報告がありました。「当事者研究は日本発世界最先端の治療パラダイム」といった意見が出されたそうです。統合失調症患者のリカバリーに必要なのは、希望・役割・責任・エンパワメントの4つであるというお話は大変興味深かったです。

 午前の部後半はピアリンクメンバーYさんの研究発表です。Yさんは何事にも全力疾走して「バタン」と倒れてしまうことを繰り返してきました。今回の研究では「バタン」することの意味、メリット・デメリットをみんなで考えました。今後は自己決定だけでなく、仲間との共同決定という視点を取り入れては、という意見が出されました。


午後の部:ライブ当事者研究

 午後の部はおなじみライブ当事者研究です。まずは来場されたSさんの相談から。「一人でいる時のさみしさ、不安」というテーマでした。共感された来場者の方の多かったテーマです。物理的に人と一緒にいても孤独を感じてしまうそうです。みんなで一人でいる時の過ごし方のアイデアを提案する事になりました。

 次のテーマはKさんの「自信の持ち方・付け方」というテーマです。Kさんは優秀であるがうえに出来ない自分を責めて、自信をなくしてしまっているそうです。みんなからは自分を責めないための工夫のアイデアが出されました。また、病気を克服するより活かす、良い研究をしようと思わない、といったユニークな視点も示されました。


 以上が今回の当事者研究の様子です。次回開催はまだ日取りが決まっていませんが、これを御覧になった皆様、ぜひ一緒に当事者研究してみませんか。