第27回当事者研究会


厳しい暑さの中、第27回目のピアリンク当事者研究会が開催されました。

午前の部:当事者研究ってなんだろう?


今回の午前の部は、当事者研究の発祥の地である北海道の「べてるの家」のワーカー、向谷地生良さん、伊藤知之さんらをお招きして、「当事者研究って何だろう?」というテーマでお話をしていただきました。

これまでの当事者研究の蓄積に伴って、当事者研究にはユニークな「理念」が出来上がっています。その中には『自分自身で、ともに』など魅力的なものがたくさんあります。今では、当事者研究は全国的(世界的?)な広がりを見せているので、この「理念」もより魅力的なものになっていくと思われます。

当事者研究を重ねていくと、「状況把握感」・「対処可能感」・「積極的に生きられる」などの効果がありますが、中心にあるのは「つながり感」というお話は印象的でした。

 

 

午後の部:ライブ当事者研究


午後はおなじみのライブ当事者研究です。

今回は参加されている方が多く、ちょっと緊張感があります。

 

一人目のKさん。Kさんは「彼女のいない自分」は生きる価値がないとまで考えてしまう苦労を抱えています。彼女募集中!なのですが、Kさんの『看板』には「暗い、顔が悪い」など否定的な言葉が並んでいます。これを仲間の力によって、「相談に乗る優しい男、音楽の得意なかっこいい男、正直に自分を語る真摯な男」というものに掛け替える事になりました。
実はいいところたくさんのKさんでした。

 

二人目のMさん。Mさんは仕事をいていくにあたって、体が辛くなって動けなくなるという苦労を抱えています。「自分の事は自分でしっかり伝えたい」という希望を持つMさんは、その場でSSTを行い、電話で自分の状況を伝える練習をすることになりました。途中、感情が溢れてくる場面もありましたが、会場全体がMさんを応援する雰囲気が出来上がったのは、感動すら覚えました。

 

三人目のKさん。Kさんは発達障害の苦労を抱えています。思い込みが激しく、それを口に出してしまい、相手と衝突するということを繰り返してきたということです。今後もっとうまく周りの人と関わっていきたいKさんに会場の仲間からアイデアを募ることになりました。

「自分の特性を予め伝えておく」、「自分がどう見えているか伝えてもらう」などのアイデアが出されました。

 

相談いただいた御三方とも、ぜひ今後も当研究会にいらしていただき研究の進み具合を報告していただきたいと思います。

 また、当事者研究に少しでも興味を持たれた方、ぜひ当研究会をのぞきにいらしてください。